オーストラリアで人生初の妊娠・出産を迎えた管理人の サマンサ です。
前回の記事では出産予定日を過ぎていたため、産院で誘発分娩の説明を受けた事について書きましたが、何とか自然陣痛で出産することができました!
初めての出産は想像以上に大変でしたが、助産師さんの手厚いサポートもあって良いお産を迎えることが出来ました。
今回の記事では、オーストラリアでの出産の様子について・入院はどんな感じか・産後のサポートなどについてレポートしたいと思います。これからオーストラリアで出産を迎える方の参考になれば幸いです!
因みに私の産院はシドニーではなくキャンベラのパブリックホスピタルでした。病院のシステムは州によって多少の差はあると思います。キャンベラの病院はサービスの質がとても良いみたいです。
陣痛が来たらどのタイミングで病院に連絡するの?
日本では破水したら感染の可能性を考慮してすぐに病院に連絡して入院の準備を進めるのが普通ですが、オーストラリアではもう少しギリギリまで持たせる様で、助産師さんからも「もし破水しても水が緑色とかでなかったら大丈夫だから家でしばらく安静にしていて」的な事を言われました(^-^;
基本「最もリラックスできる自宅にギリギリまでいる方が良い」といった感じで、陣痛の間隔が10分くらいなら「家でまだ様子を見ましょう」と言われます。(病院によるかもしれませんが)
もちろん陣痛や徴候を感じたらいつでも電話して大丈夫ですし、どうしても病院に行きたかったら断られることはないと思います。
私の場合、夜中に急に強い陣痛があり、すでに10分間隔だったので病院に電話したところ、「初産だからしばらくかかると思うので、とりあえず家で安静にしていてくださ~い」とか言われたのですが、結果的に助産師もびっくりの異例のスピード出産で、最初の電話から30分後には陣痛の間隔が既に3~4分になっていたため、もう一度電話してすぐに病院に向かいました。
家から病院まで車で5分と激近だったからよかったものの、遠かったり渋滞する時間帯だったらと思うとゾッとします(;^ω^)
なので、ヤバいなと思ったらできるだけオーバーに言って早めに病院に向かわせてもらう事をお勧めします!
病院に着いてから出産までの流れ
病院に着くと、あらかじめバースプランで伝えていた通りにセットアップされたナイスな雰囲気の分娩室に通されます。(私の場合、お産がすごく早く進んでしまったため助産師さんもあわてて準備していましたが。)
その日の当番のベテラン助産師さんと、最初の検診からずっと担当してくれていた学生助産師さんが出産を担当してくれました。担当の助産師さんはよっぽどのことがない限り24時間いつでも駆けつけてくれます。
まずは分娩室に付いているトイレで尿検査用に尿を取るように言われました。(陣痛が痛すぎて何の尿検査だったのか、その後尿がどうなったかは良く覚えてませんw同時におしるしも来たし。。。)
子宮口が全開になるまでは、ベッドで笑気ガスを吸いながらひたすら耐えたり、お風呂に入ったり等様々な和痛方法を施しながら時を待ちます。
オーストラリアでは日本にはない様々な和痛方法が試せるので、その点はオーストラリアで出産して良かったと思います。
子宮口がいよいよ全開になったら助産師さんが分娩用にシーツや計器などを色々準備してくれて、ようやくいきんでOK!
この様に、最初から最後までプライベートな空間で助産師さんと立ち合いの旦那と過ごしました。
分娩室の様子
日本で出産したことがないので詳しくはわかりませんが、テレビなどで見る日本の分娩室と比べると、オーストラリアの分娩室は病室っぽくなくて、アロマやストーンライト、ヒーリングミュージックなどが流れていて、さらには大きなバスタブまであってまるでリラクゼーションルームの様です。
ライティング、好みの音楽、お風呂の準備などあらかじめ伝えていた通りにナイスにセッティングしてくれますが、もちろん当日気が変わったら変更してOKです。
私も自分で出産プレイリストなる物を準備していましたが、陣痛が痛すぎてそれどころではなくて、「音楽うざい!いらない!!」といった感じでした(笑)
楽しみにしていた大きなバスタブでの入浴さえギリギリまで拒否する始末。
噂に聞いていた通り、オーストラリアの分娩ベッドは日本の分娩台の様に手で握ったり足で踏ん張るような部分が無いので心配でしたが、旦那や助産師さんに手を握ってもらったり、仰向けだけでなくうつ伏せで踏ん張ったり横向きになったりと色んな出産ポジションを試せるので、特に不便は感じませんでした。(私は最終的にベッドの背もたれをかなり上げて、横向きに寝て片足を助産師さんにあげてもらう感じの不思議なポジションで出産しました。)
雰囲気のよいプライベートサンクチュアリの様な分娩室で出産が出来るので、お産がより感慨深いものとなりました^^
赤ちゃんが生まれた後の流れ
オーストラリアではカンガルーケアが主流
日本でもバースプランで取り入れる人もいるかと思いますが、オーストラリアでは出産直後はカンガルーケアが基本です。
カンガルーケアとは、簡単に言うと生まれてすぐの赤ちゃんをお母さんの裸の胸に抱っこする事です。
赤ちゃんとお母さんとの絆を深めたり、赤ちゃんの身体を温めたり、おっぱいを吸わせて母乳の出を促進させるといった効果が期待されます。
カンガルーケアは感動的でしたね~(#^.^#)赤ちゃんの頭が出てきた時も自分の手で直接触らせてもらったのですが、カンガルーケアをすると赤ちゃんとこの世で skin to skin コンタクトで一番最初に触れ合えた喜びをより強く感じられます。
赤ちゃんの検査
オーストラリアでは生まれてすぐの赤ちゃんにB型肝炎の予防接種とビタミンKの注射をします。(強制ではないので注射をするかどうかは選択できますが、するに越したことはないでしょう。)
その後すぐに医師による赤ちゃんのヘルスチェックがあり、心臓の状態、目のチェック、体の動きをチェックしてもらいました。
うちの子は 3740g ととても大きく、おなかの中で窮屈だったためか足の小指側が丸まって crab leg という状態になっていたので、自宅でできる簡単な赤ちゃんエクササイズを教えてもらいました。
さらに後ほど赤ちゃんの聴覚テスト、遺伝的疾患などを調べるための血液検査があり、目やにも出ていたので目の感染の有無などもチェックしてもらいました。
ママの検査
母体の検査は、ママの状態によって千差万別だと思いますが、基本的には悪露の状態、血圧や体温などのバイタルサインをチェックします。また、ソーシャルワーカーによるメンタルヘルスのチェックもあります。
何も問題ないようなら赤ちゃんと共に約2日で退院となります。
日本だと一週間くらい入院すると思うので、あまりの入院期間の短さに日本の友人にびっくりされます(;^^)(ちなみに元気で早く病院から出たい場合はもっと早く退院させてもらう事も可能だそうです!)
私は産後に子宮頸部から2リットル程出血し、全身麻酔して子宮頸部を2針縫ったり2パック程輸血したりしたにもかかわらず、やはり2日で退院しました。
正直、早く家に帰りたかったので全然よかったのですが、旦那が病院に泊まり込みでついていてくれなかったら結構きつかったと思います。
こんな感じで入院期間がとても短いのですが、退院後のアフターケアがとてもしっかりしていて、助産師の家庭訪問などもあり些細な事でも(愚痴ですら)とても親身に相談に乗ってくれたので、私的にダラダラと病院にいるより自宅でリラックスしてケアが受けられて良かったです。
入院する部屋はどんな感じ?
病院によっても違うと思いますが、私は運よく個室で過ごすことが出来ました。しかも二人部屋の病室を一人で使うことが出来て、旦那も病室のソファーで寝て泊まり込んでくれたので心強かったです。
分かりにくい&散らかってますが、病室はこんな感じ
病室のベッド
病院食は期待していたよりずっと美味しかったです!美味しいけどいきなり肉は重い・・・(^-^;
めっちゃ肉!!!!
私は術後すぐは自分で食べられない程消耗していて、お義母さんに食べさせてもらいました。そんな状態での肉はやっぱり重かった。。。
最初の食事はバタバタしていて選べなかったのですが、食事メニューはいくつか選択肢がありました。ベジタリアン用のメニューもあったので、いきなり肉がきついならそっちを選べます。
入院グッズですが、助産師さんは「病院に何でもあるからそんなに物を持ってくる必要はないわよ!」とか言っていましたが、全然そんなことはなくて、病院には布おむつしかない(オムツというかただのタオルを安全ピンで巻いただけ)し、パジャマはうっすいガウンですぐはだけるし、産褥パッドはペラペラでベッドが血で汚れまくりだしで、もっと色々用意してくればよかったという感じでした。
病院でもらった産褥パッド的なやつ
病院から家まで車で5分だったので、旦那が何往復もしてその都度欲しいものを取ってきてくれましたが。。。
病室の他に共同のファミリールームがあって、家族や面会人がそこで自由に過ごすことができました。お茶やジュースやビスケットなども用意されていました。
退院の際に受け取る書類等
ブルーブック
オーストラリアにも日本の母子手帳的なものがあって、NSW やキャンベラではブルーブックという青いバインダーを渡されます。検診の度にこのブルーブックを持っていくことになります。
母子手帳オーストラリア版・ブルーブック
ちなみに領事館で日本の母子健康手帳をもらうこともできますよ。
ウェブサイトからプリントアウトした申し込み用紙に記入して領事館に持っていったらその場で母子手帳がもらえました(英語版と日本語版が選べます)。
センターリンクの書類
退院の際に Newborn Child Declaration という書類を渡されます。この書類はセンターリンクで育休の補助金などを申請する時や、赤ちゃんの Birth Certificate を申請する際に必ず必要となります。
退院後の通院や今後のケア
2日という短い期間で退院となりますが、先ほども触れたように産後のアフターケアが割としっかりしていました。
助産師による家庭訪問とミッドコール
退院後に助産師さんが家庭訪問して赤ちゃんとママのチェックや授乳指導、様々な疑問に答えてくれます。
赤ちゃんのおもなチェック項目
- 体重測定
- うんちとおしっこの回数チェック
- 黄疸チェック(採血)
ママの主なチェック項目
- 子宮チェック(触診)
- 会陰の縫合チェック
- おっぱいチェック
- 授乳アドバイス
- メンタルチェック、悩み相談
頻度は産後一週間の間に3回ほどで、訪問が無い日は電話(ミッドコール)で様子を聞いてくれました。
私は出血の影響で最初母乳の出が悪かったのですが、助産師さんに母乳がよく出るお茶やクッキー、また授乳中でも飲める Macrovic という便秘の薬(めっちゃ効きました)を紹介してもらい、とても助かりました(^^♪
粉を水に溶かして飲むタイプの便秘薬。おなかが痛くならないのにどっさり出ます!
何かあればいつでも助産師さんに電話やメールで聞くことが出来るのでかなり心強かったです。
退院後の通院
出産から6日後に再び産院に赤ちゃんを連れていき、お医者さんに赤ちゃんの検査をしてもらいました。
検査項目は心拍の状態、眼や全体の動き等。
また、私は若干産後に気が高ぶっていて毎日来る親族や出産すぐの引っ越しの準備のせいでやや産後鬱っぽくなっていたため、同時にソーシャルワーカーとのカウンセリングもやってもらいました。
血液型も調べることが出来ました!
通常、欧米では赤ちゃんの血液型は調べないのが普通です。大人でも自分の血液型を知らない人が結構います。
でも日本人としてはやっぱり自分の子供の血液型は気になっちゃいますよね。なので助産師さんに血液型を調べられるか聞いてみたところ、産院での血液検査のフォームを用意してくれました!聞いてみるもんですね。
検査室で別のナースになぜわざわざ血液型を調べたいのか聞かれましたが、cultural reason(文化的な理由)と答えたところそれでOKでした。さすが移民の国オーストラリア、異なる文化に寛容です。
産後の母親学級
産後エクササイズや授乳クラスなど、産前だけでなく産後も様々な postnatal class(産後母親学級)が病院にて受講可能です。
産後すぐは慣れない育児による腰の痛みや尿漏れ等、身体の様々な部位に不調をきたすので、理学療法士による産後エクササイズの指導はすごく役に立ちました!
その他のケア
その他、退院後も定期的に赤ちゃんのケアやチェックがあります。
- 予防接種
- 生後1か月に地元の Early Child Care Centre に行き、赤ちゃんのチェック
- Early Child Care Centre にてマザーズグループ等コミュニティへの参加(任意)
予防接種の内容やマザーズグループなどのコミュニティについては、また別の記事で詳しく書いていこうと思います。
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