ジオブロックされた国内限定コンテンツの利用や、公共Wi-Fiなどを使う際のセキュリティの強化に役立つVPNですが、これには無料のサービスと有料のサービスが存在しますね。
でもなぜ無料のVPNサービスが成り立つのでしょうか?
「タダより高いものはない」という言葉があるように、無料のサービスにはそれなりの理由があります。

中には実は危険な無料VPNも!

「VPN自体イマイチよくわからないよ!」という方はこちらの記事を読んでね。

無料VPNはなぜ無料なのか
無料VPNサービスが成り立つ背景には、以下のパターンが考えられます。
有料VPNサービスの無料体験版
有料ソフトウェアの販売によくあるマーケティング方法です。
無料版を体験してもらう事によって、有料版の購入につなげています。
企業がお金をかけているだけあって、高性能でセキュリティも強固です。
通常は無料版の使用が期間限定であったり、有料版に比べて利用できる機能に制限があったりと制約は付きますが、VPNの利用用途によっては無料版で十分だったりもします。
研究のための無償提供
これはレアなケースですが、国立の筑波大学が学術研究を目的として、誰でもVPNを無料で利用できる VPN GATEというサービスを無償で公開しています。
費用は一切かからず、VPNサーバーの提供は全世界にいるボランティアで成り立っています。


無料ですが、良いサーバーを選べばそれなりに回線も速く、動画も見れます。
注意しておきたいのは、筑波大学がVPN中継サーバーを提供・管理しているわけではないという事です。
筑波大学が行っているのはプロジェクトとソフトウェアの管理等で、VPN中継サーバー提供者は世界中のボランティア、つまり赤の他人です。
ボランティアへの参加はとても簡単で、あなたもコンピューターがあれば簡単にVPN中継サーバー提供者になれます。
ですが、自分のコンピューターをサーバーとして世界中の人に提供するのは結構な負担です。
善意でボランティアをしている人ばかりではないはず。。。
暗号化されていない情報はサーバー提供者に盗み取られる可能性があり、安全とは言えません。
広告を貼っている
VPNサービスに限らず、無料のソフトウェアや無料アプリにはよく広告が貼ってありますが、これは広告を表示させたりユーザーにクリックしてもらう事によって収入を得るためです。
利益を出すために広告を貼ること自体は違法でもなんでもないのですが、中にはサービス提供者が意図せずとも広告自体にウイルスなどのマルウェアが潜んでいる場合も。。。
全世界で1億ダウンロード超えの超人気アプリ Cam Scanner の無料版にも、広告配信用のツールにマルウェアが混入していたことが分かり話題になりました。
個人情報の悪用や販売に利用
VPNサーバーの管理者にはあなたの通信情報が見えています。
無料VPNを提供することにより、それを利用してユーザーのログを解析したり、ユーザーのコンピューターに意図的にウイルスやトロイの木馬などのマルウェアを感染させたりして個人情報を盗み出し、悪用したり第三者に販売して利益をだしているケースもあります。


本来セキュリティの強化のために利用するはずのVPNが、とんだ逆効果だね!
無料アプリには意図的・故意に関わらずセキュリティの脅威が含まれているケースが多いです。
オーストラリア政府の機関である CSIRO(オーストラリア連邦科学産業研究機構)が283のアンドロイド用無料VPNアプリを分析し、以下のような結果を公表しました。(※CSIROの分析結果(英語)より一部和訳)
- セキュリティ強化をうたっているアプリの82%が何らかの形で個人情報へのアクセスを試みている
- 50万回以上ダウンロードされている高評価アプリの38%にマルウェアが潜んでいる可能性がある


マイケルパパのお仕事も、オーストラリア政府機関のITマネジャーです。


僕だったら絶対に無料VPNは使わないです!
ごくたまにしかVPNを利用しない場合、有料VPNサービスに毎月お金を払うのは確かにもったいないです。
その場合、つい無料VPNを利用したくなりますが、無料のサービスの中にはこういったリスクが潜んでいるということを理解していないと、思わぬ被害にあうかもしれません。
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