近年、ハーフアスリートの活躍が目覚ましいですね!
陸上のサニブラウン選手やケンブリッジ飛鳥選手、テニスの大阪ナオミ選手、日本人初ドラフト一巡目でMBA入りを果たした八村塁選手や、ラグビーワールドカップで大活躍した松島幸太郎選手など、優秀な成績を収めている選手にはアフリカ系黒人のハーフの方が目立ちます。
「私の子供も黒人ハーフなんだけど、運動神経が良くなるかしら?」と疑問に思っている国際結婚ママさんパパさん、
その可能性は十分にありますよ!
なぜなら
- 運動能力の66%は遺伝で決まるから
- 同じ人種よりも、多様性のある遺伝子を持ったハーフの方が優れた能力を発揮する事があるから

どういうこと?

どういうことか詳しく見ていきましょう。
運動神経の良さは遺伝しやすい
第一に、実は運動に関わる色々な要素は、結構な高確率で親から遺伝しやすいのです。
具体的には
- 筋肉の付き方
- 体格の良さを決める骨格
- 肺活量に関わる内臓系・循環器系の要因
などです。
以下はアメリカのメリーランド大学運動生理学部のステファン・ロス教授が導き出したデータです。
- 有酸素運動:遺伝率は約40~50%
- 筋力および筋肉量:遺伝率は約50~60%
- 「遅筋線維」と「速筋繊維」の混在率(簡単に言えば、持久力と瞬発力のどちらが優れているかを決定する要素です):遺伝率は約45%
- 身長:遺伝率は約80%
- スポーツでの全般的な競争力:遺伝率は約66%
ーlifehacker 日本版より引用ー
研究データをとった被験対象者の生活環境にもばらつきがあるので、ざっくりとした評価しかできないというのは教授も認めていますが、スポーツでの全般的な競争力の遺伝率が6割強というのは遺伝の世界ではかなりの高確率です。
多様性のある遺伝子を持ったハーフの方が優れた能力を発揮する事がある
また、同じ人種の親同士の子供より、ハーフの子供の方が高い運動能力をもって生まれてくる可能性も高いのです。
ちなみにアジア人×アジア人、黒人×黒人などの同じ人種同士のミックスよりも、アジア人×黒人など多様性のある遺伝子を掛け合わせた方が、より優れた能力を発揮する傾向があります。
(逆の例が近親間での遺伝子交配で、このパターンは遺伝的に欠陥がでやすい傾向にあります。)
スポーツ遺伝子に詳しい順天堂大学准教授の福典之氏によると、
「遺伝的にはスポーツで高いパフォーマンスを発揮するには、これまでアフリカン×アフリカンの組み合わせがいいと思われていました。しかし、アメリカのスプリンターの遺伝子(ミトコンドリアDNA)を解析した結果、最もいい成績を出していたのは父方がアフリカ系、母方が非アフリカ系というミックスだったのです。つまり瞬発系運動能力についてはハーフという要素が与える影響は少なくないと考えられます」ーJUNTENDO SPORTS より引用ー
しかし興味深いことに、この研究で解析されたミトコンドリアDNAは母親からの性質だけしか伝えないことが分かっています(母性遺伝)。

遺伝の世界は本当に奥が深いですね。
ちなみに「遺伝子の多様性が高い能力を生み出す」というのは運動能力だけでなく、知性やIQにも言えるそうです。


でも、運動神経が良いと言ってもいろんな運動があるよね?身長が高かったり有酸素運動が得意でもスポーツが得意になるとは限らないんじゃ?
まさにその通り。短距離走が得意な人が長距離走も得意だとは限らないし、高身長はバスケには有利だけどフィギュアスケートにはあまり関係ありません。
運動神経が良いと言っても、単純にひとくくりには出来ないのです。


私も少林寺拳法では全国大会まで行ったけど、水泳はダメダメです。
しかし殆どのスポーツは様々なスキルを必要とします。
また、チームスポーツではポジションによって求められるスキルは全然違います。
たとえば、ワールドカップで記憶に新しいラグビーが良い例で、タックルが得意な大柄な選手もいれば、日本代表の田中史朗選手の様に166センチと小柄でも小回りが利く選手もいますよね。
元々持っているポテンシャルが高いことに越したことはないですが、スポーツの得意不得意は遺伝だけで決まるものではありません。
足りない部分はトレーニングで補えるし、戦略など頭で考える部分も多いです。


努力に勝るものはなし!
お子さんにスポーツをさせるなら、その子が得意とするスポーツは何か見極めるのが大事ですし、何より好きこそものの上手なれなので、まずは色々なスポーツに触れさせてみると良いでしょう。


でも、過剰な期待はやめてよね~
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